あなたは、こんな人を見たことがないでしょうか?
電車の線路に、目立つように全身黄色い服を着て、旗を持ちながらずっと立っている人です。
それは列車見張り員です。
列車見張り員の仕事は、その名の通り列車を見張ること。
線路やそのすぐ近くを工事する場合に、作業員の安全を確保するため、列車の接近を見張ってそれを知らせているのです。
今回は、この仕事の内容について、果たして楽な仕事なのか?について、詳しくご紹介していきます。
作業員の命を預かる列車見張り員
まず求人をみて思うのは、ただ列車を見ているだけなので、楽なのではないか?
ということですよね。
そう思われがちな仕事ですが、意外に大変な部分もあります。
作業員が、安全に作業できるようにするために見張るわけですから、自分だけ適当にやるわけにもいきません。
しかし、良い点もあります。
それは人間関係について。
普通のサラリーマンよりも、人間関係の煩わしさは少ないので、そのストレスもなく、黙々と仕事のできる環境と言えます。
そんな列車見張り員について、他にもどんなメリット、デメリットがあるのか?
内容を解説していきたいと思います。
列車見張り員の仕事内容
列車見張り員の仕事は、線路の点検や修補を行う作業員が、安全に仕事ができるように、列車の接近を知らせるのが仕事です。
そのため、非常に責任感のある仕事です。
具体的には、列車のダイヤを確認しながら、トランシーバーからの情報を確認して、これから来る列車の接近を、10分前、5分前・・・というように、作業員に対して段階的に伝えていきます。
そして列車が通過する際には、運転手に作業員の退避が完了したことを旗を掲げて知らせます。
列車に対する合図は、旗は黄色なら『すすめ』、赤なら『止まれ』になります。
これを軽く考えてはいけません。
旗の色を間違っただけでも列車は止まり、大変な騒ぎとなります。
見ているだけのとても簡単な仕事のようですが、作業員の命を預かる仕事なので、その責任は重大です。
人とあまりコミュニケーションを取らなくて済むといっても、うっかりミスが許されない、それが大きなプレッシャーとなってしまうかもしれません。
つまり、人間関係のプレッシャー≦集中して責任感のある仕事をするプレッシャーなら
大変だと感じるかもしれませんね。
列車見張り員になるには
この仕事をするためには、列車見張り員の資格を取得しなければなりません。
そのためには、まず仕事を請け負っている警備会社の募集に応募することから始まります。
そこで資格を取得して、列車見張り員として働くことができるようになります。
また、この列車見張り員の資格は、合格後も一年毎に講習会に参加して更新しなければなりません。
簡単に取れる資格ではあるのですが、人の命を預かる仕事のため、その後はきちんと能力を保持しているかどうか厳しく管理されている資格なんですね。
列車見張り員の給料
これは就職する警備会社によっての変わってきますが、日給でだいたい8,000円~12,000円の間となっています。
それに額は少ないですが、資格手当がプラスされる会社もあるようです。
また、正社員として警備会社に就職した場合には、この列車見張りの仕事だけでなく、通常の交通整理など他の職場にも回されるでしょう。
列車見張りの仕事だけをやりたいのであれば、最初から列車見張り員の募集に応募することが肝心です。
求人によっては全くの未経験からでも会社が資格取得までをサポートしてくれる場合もあるようです。
この仕事の大変なところ
体力的には楽ですが、やはり命を預かるというプレッシャーがあります。
間違いが許されないのです。
うっかりミスの無いように、細心の注意が必要となります。
作業員は自分の仕事に熱中してしまい、列車の接近に気付かないことは、本当にあるのです。
さらに、ずっと立っているというのも想像するより大変で、特に冬の寒い日などは、防寒には工夫が必要です。
動かないと余計に寒く感じますよね。
そして、普通の仕事よりも時間の経つのが遅く感じる、という声もあります。
『時間を意識すると時間の流れは遅くなる』
あなたも経験がありませんか?
また、都会での仕事なのか、地方での仕事なのかによっても電車の本数は全然違います。
都会の複雑なダイヤの中での仕事は、ボーっと立っているだけの簡単な仕事というわけにはいきません。
実際に、事故はたくさん発生しています。
以上が列車見張り員の仕事の解説でした。
良いところもありますが、それなりに大変な部分もある仕事ですね。
求人だけ見ると楽に思えますが、実態はかなり人を選びます。
その大変さが苦にならないという人で、人間関係の煩わしさを避けたいという人であれば、おすすめな職業といえます。