せっかく大切に育てていた農作物が、モグラなどの害獣の被害にあったら嫌な気持ちになりますよね。
害獣による被害と聞くと、一時的な被害のように思われがちですが、野菜などの被害に関わらず、大変なことになってしまうリスクも考えなくてはいけません。
野菜を作っている農家にとって、害獣問題は死活問題です。
対策を取らなければ、せっかく丹精込めて育てた野菜が大変なことになります。
しかし、自分で全てを解決するのは大変ですし、余計なことに時間や労力を取られるよりも、本業に集中したいものですよね。
そこで、そんな悩みを解決してくれるのが、害獣駆除のサービスです。
マイナーな部類の仕事ではありますが、この仕事に興味があって将来的に仕事にしてみたいという方へ、どんな仕事なのかをご紹介します。
そもそも害獣駆除の仕事に就きたいものの、どうやったらなれるのか?
具体的な仕事内容も含めて詳しくご紹介していきたいと思います。
そもそもモグラはどんな生き物か知ってますか?
モグラというと名前は聞いたことがあるにしても、どんな生態を持った生き物なのか知らない人も多いのではないでしょうか。
ネズミに似ている。モグラは可愛い。
などというイメージを持っている人も少なくありません。
日本ではあまり見かけることがないかもしれませんが、実は北海道を中心に全国に生息しています。
日本には4属7種のモグラがおり、外来種ではなくすべてが日本固有の種類になります。
東日本に大きく分布している「アズマモグラ」や、西日本を中心に生息している「コウベモグラ」、本州のみで生息している「ミズラモグラ」などもいます。
日本の佐渡ヶ島などの離島でも、モグラの生息が確認されています。
平均寿命は5年ほどになり、寒い冬でも冬眠することがありません。
哺乳類でもこの点は違うポイントかもしれませんね。
トガリネズミ形目モグラ科に属する生き物になり、地中を中心に生活しています。
モグラの種類によっても異なりますが、平均して10cm程度の大きさで穴を掘るため、土をかくための大きな前足がついています。
細長い鼻がつき目はほとんど視力を持たないため、光があるかどうか認識することしかできません。
モグラは鼻の先が発達しており、鼻で触れたものを何か識別する特殊な能力を持っています。これをアイマー器官と呼び、モグラ最大の特徴でもあります。
ちなみにモグラは、体が常に何かに触れていないとパニックを起こしてしまう一面もあります。
モグラは、自分で掘ったトンネルのなかで生活していますが、餌の大半はそのなかに迷い込んできたものを食べて生息しています。また土のなかで生活しているものの、意外と泳ぎが上手だったりします。
害獣となるやっかいな理由
モグラというと一番イメージするのが、掘った土を巣の外に積み上げている光景ではないでしょうか。
これはモグラ塚と呼ばれるもので、モグラがどこにいるのか知る為の目印にもなっています。
自分のトンネルを広げたり修理すると、このモグラ塚ができます。どうしてモグラがやっかいだといわれるのか、その理由を紹介します。
1. ミミズを食べてしまう
ミミズは農作物を耕してくれる大切な虫です。
モグラの主食にミミズがあり、しかもとっても大食いのためあっという間にミミズを食べ尽くしてしまいます。
モグラは生きていく為に大量のエネルギーを使うため、1日に自分の体重の半分程度にある食事を必要とします。
もし胃のなかに何も入っていない状態が12時間以上続くと、とたんに餓死をしてしまうほど大食いで知られています。
そもそもモグラが地中のなかで生息している理由として、地上にいると天敵のフクロウや狐に狙われるのを防ぐためと言われています。
土のなかのほうがミミズの数も多く、捕獲したものを巣穴のなかに運び保管することによって餓死を防いでいると考えられています。
2. 作物の根が伸びにくくなる
モグラは野菜を直接食べることはありません。
しかし、モグラが穴を掘りその範囲を広げることによって、せっかく育てた作物の根が育ちにくくなったり、ダメになってしまう危険性もあります。
モグラの穴に入った植物の根を取り除いてしまったり、土の保水力を低下させたり植物の生育にも影響してしまいます。
他にも巣が原因となり水田の畦が水漏れを起こしてしまうなど、農作物に大きなダメージを与えてしまいます。
農家の人たちが一生懸命耕して整えた畑もモグラに台無しにされてしまうことを考えると、退治せざる得なくなります。
3. 畑の見た目が悪くなる
モグラに穴を掘られてしまうと、畑や芝生の表面がぼこぼこになってしまい、見た目から汚らしくなってしまいます。
農家にとっても畑はとても重要ですよね。野菜を食べないにしても、モグラに穴を掘られる度に整えていたら、どんなに時間があっても足りません。
畑を商売にしている人にとってはモグラがいると悪影響になってしまうのです。
野菜の被害で終わらない、放っておくと大変な理由
モグラは海外では“デスマン”とも呼ばれています。
モグラは大きく分けていくつかの種類に分類されます。日本に多く生息しているモグラは、肉食のためミミズを多く餌とします。
でも海外にいるヒミズ類にのモグラは、果物や草木を大量に食べます。
なかには魚を食べるモグラなどもおり、地域によってはモグラの被害が深刻です。
モグラといっても餌とするものが違いますし、その地域によっては日常生活を脅かす害獣になってしまうのです。
また、モグラが掘り起こしたトンネルのなかにネズミが入り込んでしまい、農作物をかじるなどの被害も出てしまいます。
これが一番やっかいなのです。
モグラとネズミには深い関係があり、モグラを放置しておくことによって、ネズミを呼び寄せてしまいます。
ネズミは屋内ならまだしも、屋外になると駆除をするのは難しくなります。
モグラだけを駆除しても意味がありませんし、ネズミも合わせて駆除する必要があります。
見た目はかわいいものの、近づいてくる敵には噛み付くなどの凶暴な一面も持っています。
そのため、モグラを発見したからといってむやみに手を出してしまうと、大怪我をする危険性もあるので注意してくださいね。
害獣駆除を専門に仕事をしている業者におまかせするのが、安全で確実な方法です。
モグラ駆除の仕事はどんなことをするの?
モグラ駆除の仕事は、モグラの被害で困っている人の代わりに完全駆除をすることです。
モグラは一生のほとんどを土の中で生活しているため、地上で見るのは本当に稀なことです。
害獣の駆除の中でも、特に難しいといわれるのがモグラになり、視力の変わりに嗅覚が発達している分、薬剤を使用した駆除では対応できないことが多いのです。
薬剤を使用すると匂いが強く出てしまったり、農作物やペットに影響が出てしまう可能性もあります。
値段は手頃ですが、農林業を育てている以上この方法はおすすめしません。
専用の装置を使ってモグラの駆除をしたり、トラップを仕掛けてモグラを捕獲します。
これが最も確実な方法と言われています。
ただし、一般の人がモグラを捕獲する場合、事前に許可を取らなくてはいけません(農林業の人は不要です)
無許可になると法律違反になるのでくれぐれも気を付けてくださいね。
また、トラップなどは捕獲したモグラを取り出す作業なども出てきてしまいます。この作業を苦手とする人もいます。
またモグラの穴でも、本道と支道の見極めが難しくモグラの駆除経験がないと支道だけの駆除になってしまい根本的な解決にはなりません。
モグラの駆除を仕事にする場合、専門的な知識やモグラの生態について知らないと駆除はできません。
まずは基礎知識をつけ最適な方法でモグラの駆除を行うようにしてくださいね。
まとめ
モグラをはじめとする害獣駆除の仕事は、まずは対象の生態を把握したうえで、どんなリスクがあるのかを知らないと駆除したとはいえません。
特にモグラはそのまま放置していると、農作物に大きな影響を与えてしまったり景観を損ねてしまう危険性もあります。
害獣駆除で困っている人の力になれる仕事でもあり、日本全国に分布しています。
モグラなどの害獣駆除は、とてもやりがいのある、人助けになる仕事だといえるのではないでしょうか。