一口に求人といっても、普通の従業員を募集する以外のものもあります。
たとえば、【経営者募集中】とか【後継者募集】なんていうものです。
あなたも、そんな求人を見たことがないでしょうか?
普通に働くのとは違って、いきなり人の上に立てるなんてすごいですよね。経営者になれます。誰にも文句を言われません。
そんなおいしい話があるのか?とも思いますが、じつは結構あるのです。
たたし中には、注意しなければならないものもあります。
どんなものに注意が必要なのか?
経験談をもとにご紹介していきたいと思います。
そもそもなぜ自分でやらないの?
経営者募集や後継者募集の求人を見かけると、こう思うことがありませんか?
- 「そんなに儲かるなら自分でやったらいいじゃないか?」
- 「後継者が育たないのは魅力が無いから」
- 「従業員の中で有力な人はいないのか?」
などという疑問です。
なんで自分でやらないで、募集広告を出したり、もしくは営業をかけたりしてまで人にやらせたいのか
不思議ですよね。
お金だってかかっています。
もしもあなたが、一人でかなり稼げる話を知っていたとして、それをわざわざ人に教えたり、やってみたら等と誘うでしょうか。
広告費を払ってまでも、見知らぬ誰かに任せたいと思っているのです。
だから、この話に乗っていいのは、良く調べてからです。
何も考えずに飛びつくと、後悔することになるかもしれません。
実際に経営者募集している会社
よく経営者募集の広告を目にするのは、大手のコンビニや、アパート経営など
コンビニだったら、なぜ本部が直営店としてやらないのか?
アパート経営だったら、なぜ自分で建てないで、オーナーを募集するのか?
ここに共通するのは、
本部が責任を負わなくて良いシステムだということです。
これは、自分でリスクを取ってやらなくても、本部が儲かるシステムとなっています。
責任を負わないかわりに、ノウハウを提供してくれるのです。
経営者となるリスク
コンビニの経営者募集は、2018年現在で、必ず夫婦での応募でないとダメです。
夫は普通の会社で働いて、妻はコンビニの店長を専属でやる、なんてことは認められないです。
例えば、妻は昼間、夫は夜に交代で働いて24時間お店を回していきます。
ということで、夫婦の生活は完全に別々になりますし、休みなんて一緒になかなか取れなくなります。
アルバイトを雇うよりも、なんとか自分たちだけで、少ない人数で回した方が利益も上がります。
しかし、一生懸命頑張っても、自分たち以外の要因でピンチになることもあります。
それは『儲かりすぎてもダメ』ということ
儲かるなら、すぐライバルが参入してくるのです。
例えば、近くに競合店ができたり、他のバイパス道路が開通して、自分の店の前の道路の交通量が激減することも考えられます。
しかもこれが、ライバル店ではなく自分が加盟している直営店だった、なんて冗談みたいなこともあり得ます。
売上にすぐに直結する話ですので、お店が急に赤字になってしまうリスクもあるのです。
これは、アパート経営でも同じですね。
近くにキレイでおしゃれなアパートができたりして、入居する人が減ってしまうこともあります。
一括借り上げのシステムで、家賃の保証までしてくれる契約だったとしても、
アパート自体が年々古くなってくるので、家賃を下げざるを得ないこともあります。
しかし
オーナーとなると、仕事に対するやりがいも全然違ってくるのも事実です。
自分の頑張りやアイデアなどが給料に直結します。
ですからサラリーマンのように、仕事をやらされている感はなくなります。
時計をチラチラと気にしながら、「早く時間だけが過ぎないかな」なんて言うこともなくなります。
人のお金で商売できるなら強い
リスクを負って人生をかけて脱サラしたオーナーとは違い、
責任を負わない本部では、失敗を恐れずにどんどん営業をかけて規模を拡大することができます。
リスクを負わなくて良いのですから、たとえ大きな利益を見込めない場所でも、強気で攻めることができますね。
さらに、お店を出店する際の工事業者やアパートを建てる際の業者は、本部が指定する業者です。
もちろんこの業者は、本部と提携していますから、工事費が高いです。
自分の知り合いに頼めば、もっと安く工事ができると言ってもダメなのです。
また、加盟金や毎月のロイヤリティ、アパートの管理費用なども毎月入ってきます。
このようにして本部は自分でやらなくても儲かるのです。
責任を負わなくても儲けだけはしっかり持っていくシステムとなっています。
成功する事例もあります
しかし、失敗ばかりの話ではありません。
私の知人の話になりますが、この経営者募集に応募して、本人の努力で成功したという人がいました。
ここではSさんとしておきますが、Sさんは全くの未経験で、違う業種から応募したのです。
どんな会社だったのかというと、規模は小さいですが、チーズを作る工場でした。
この工場では、社長が高齢だったのですが、後を継ぐ家族もなく、本気で会社を維持して従業員を守ってくれるような人材を募集したのです。
条件は、【会社の全てを譲ります】というもので、もちろん資産だけでなく、会社の負債も引き継いでいくものです。
これはなかなか勇気と自信がないとできないものですが、50代のSさんは、人生最後のチャンスだと思って引き受けたのです。
そこでSさんは、女性のパート従業員たちと一緒に働きながら仕事を学び、信頼を得ました。
仕事を覚えたら、新しい商品を開発して、これまでにない新規のお客さんを獲得するため、営業にも走りました。
結果的に、新たに規模の大きいホテルなどへの納入を獲得して、会社も利益を増やすことに成功したのです。
安定した企業と継続的に取引ができるようになれば、ますます積極的に商品開発や営業もできるようになります。
引き継いだ負債も、問題なく返済していけるのだろうと思います。
このように、経営者募集や後継者募集でも、個人の能力もありますが、努力次第で大きなチャンスをつかむことができるのです。
雇われない生き方を選択するのも、リスクはありますが、独立することで環境が変わり、今までの人間関係に悩んでいた毎日がなくなるかもしれません。
仕事が楽しく感じれるなら、まちがいなく人生も幸せに感じれるようになるでしょう。
まとめ
後継者募集、経営者募集はハイリスクハイリターンです。
いきなり全てを任されて、その責任も負います。
しかし、前の人と同じやり方ではなく本人の努力や工夫しだいでは、大きな成功を掴むことができる可能性もあります。