日本国内でも、弁護士に次ぐ難易度と言われる司法書士の資格。
毎年の合格率は、2〜3%という狭き門です。
もし取得できれば、法律の専門家として、周りの評価は一気に180°変わることは間違いありません。
たとえ、これまでの人生どんな生き方であったとしもでしょう。
困っている人の手助けや、地域にも貢献できる、素晴らしい仕事をすることができます。
また近年では、認定司法書士となると、簡易裁判所に限りますが、弁護士と並んで法廷に立つことができるようになり、活躍の場が広がっています。
弁護士以外でも法定代理人となることができる資格があるなんて、ご存知でしたでしょうか?
まずは目指すかどうかの決断が必要
このレベルの難関資格ともなると、まずは【覚悟】が必要となってきます。
人生を賭けて取得する資格といえます。
ですので、「目指してみようかな」等という半端な気持ちで足を踏み入れるべきではありません。
中には10年以上も連続して受験しているベテランもいます。
もしあなたが、一度しかない大切な人生の中の、10年もの期間を勉強に費やしたとして、それでも合格できなかったとしたら、
11回目は諦めて撤退できるでしょうか?
人間は、自分がそれまでに費やした苦労を無駄になると感じると、すんなりと撤退することができなくなります。
何年も毎日勉強しても合格できないし、もう諦めて止めることもできないというのは、ある意味地獄です。
生半可に簡単に合格できる資格ではありません。
ですから、絶対に合格するまで諦めないという強い気持ちと、人生を賭ける意気込みが必要となります。
また、自分のことを客観的に判断して、時には撤退する勇気を持つことも大切です。
その場合には、資格を取得することはできなかったが、法律の知識を得ることができたのは、自分にとって大きな財産になったと思えるかどうかです。
ちなみに私は8年で撤退しました
私は仕事をしながら、毎日2 時間を目標に勉強を8年間続けてきました。
最初は希望に燃えて頑張っていたのですが、何年もやっていると、だんだんと辛くなってきます。
その理由は、1年間必死で勉強をしているのに、次の年に点数が上がるとは限らないので、結果が見えてこないことにあります。
私は8年間で、トータル5,000時間ほど費やしましたが、基準点を超えたのは1回のみ。
基準点を超えた次の年は、今年こそ合格だと意気込んで試験に臨みましたが、前年より大幅に点数が下がり、意気消沈。
私も辛くなり、家族も呆れているようでした。
「また受けるの?」なんて言われるようになり、これまでの8年間を考えると、なかなか撤退するという選択をする勇気が持てませんでした。
サンクコスト効果、半端なくすごいです・・・
試験の科目と膨大な範囲
司法書士試験の出題範囲は
憲法、民法、刑法、商法、商業登記法、不動産登記法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、供託法、司法書士法
となっていて、全部で11科目です。
試験は午前と午後に分かれていて、マークシートの択一問題が70問、そして商業登記法と不動産登記法の記述の問題が出題されます。
他の簡単な資格試験のように、参考書と問題集がセットになっている本を一冊購入すれば良いというわけにはいきません。
本棚の全てが勉強のテキストや過去問集、法律書で埋め尽くされます。
これだけ範囲が広いと、独学でこの資格を取得するのはやはり難しく、学校に通って勉強するのが一番の近道のようです。
たまに法改正もあって、せっかく覚えた知識が使えなくなってしまっていたり、最近の試験の傾向なども講師が指導してくれますので、独学で頑張る人よりもやはり有利でしょう。
法律というのは、決まりごとが書かれていますので、本来なら小さな子供でも主婦でも、誰でも分かりやすく簡単に書かれていれば理想ですが、そうではありません。
わざと一般人には難解で意味がわからないように記述されています。
ですから、勉強を始めるには、まずは法律用語から学んでおかないと、問題の意味すらわからないという状況となるのです。
試験は5択のマークシート形式ですが、意味がわからない状態で、暗記だけで合格できるほど優しい資格ではありません。
合格者の勉強のコツを調べてみました
ネット上には、合格者の勉強のコツや、これから受ける人へのアドバイスが載っていますので、それらをまとめてみました。
その中でも意外に多かったのは、【基本をしっかりやる】という部分です。
難しい知識を優先したくなる気持ちが出てきますが、司法書士試験は基本的な部分を完全にマスターすれば6割が取れるようになるそうです。
ですから、難しい部分を優先して勉強したとしても、範囲が広すぎますから効率的ではないということですね。
そしてもう一つが、【分からない所は飛ばす】ということです。
とにかくどんどん前に進んで、一周回ってくる期間を短くすることが大切です。
最初は理解できないことでも、5周目、6周目なら意味が理解できることがあるようです。
特に真面目な性格の人は、一つ一つ確実に覚えていかないと、気が済まないかもしれません。
しかしその勉強方法では、一周回って最初に戻ってきたときには、すでに何ヶ月も経っていたりするので、すっかり忘れてしまっています。
完璧に覚えたつもりでも、最初の科目に戻ってみると、まるで初めて見る問題のように感じるのです。
以上の2つが、合格者の語るコツでも、非常に重要な部分だと思われます。
合格に必要な勉強時間と併せて取得すると役立つ資格
難関資格の場合には、ちょっとしたスキマ時間に勉強をすることも大切です。
司法書士の資格は、人生一発逆転を狙って、しばらく引きこもって勉強するのも悪くありません。
特にうつ病などで家にいるならば、目標を持つことも大切です。
合格に必要な時間は約3,000時間と言われています。
これは一日8時間勉強すれば、約一年で到達できる時間になります。
仕事をしながらの8時間勉強はとても無理でしょうが、一年間働かなくても大丈夫な恵まれている人ならば、挑戦する価値のある資格です。
また、併せて取得すると役立つ資格としては、土地家屋調査士や行政書士になります。
どちらも難しい資格ですが、例えば土地家屋調査士ですと、司法書士にはできない表題登記ができるようになります(司法書士は権利に関する登記の専門家です)
また、行政書士を取得することで、司法書士の試験範囲にはない行政法に関しての知識に精通することができ、役所に提出する書類を請け負うスペシャリストとして活躍できます。
これらと司法書士の資格を合わせて、ダブルライセンスやトリプルライセンスの人は、司法書士事務所の中でもリーダーとして活用できるようになるでしょう。
止めた後の私の人生
睡眠時間を削って、とにかく勉強勉強の毎日から解放され、いろんな事が見えるようになりました。
何のために資格が欲しかったのか?
本当にやりたい仕事だったのか?
自分の内面をよく探ってみると、本当にやりたいのは別にあったと気がつきました。
今では全く別の分野に進んで、収入も当時の2倍になり、充実しています。
たぶん受かっていても、まだここまでの収入は得られていないでしょう。
司法書士=高給取りではありません。
負け惜しみ、と言われればそうかもしれませんが、人生で挫折を味わうのもよい経験になりました。
あれだけ一生懸命に頑張っても叶わなかった夢
実際に栄冠を勝ち取った人を、本当に心から尊敬します。
でも正直に言えば、いまだに司法書士と聞くと「ん!」となります。
なにかサインをするとき、例えば私は家を建てるときに、司法書士との接点がありました。
その時にはかなり複雑な気持ちになりましたね。
もう一生こうなんだと思います。
以上が司法書士の資格のご紹介でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。